メバル・カサゴ・アイナメ・コチのなかま

2025年9月21日更新:マゴチ・ムラソイ・クロソイ・フサカサゴ追加


シロメバル Sebastes cheni Barsukov, 1988

2019年7月19日撮影 水深4メートル

アマモ場や海藻の周りにいることが多い魚です。以前はかなりよく見かける魚のひとつで、大型の個体たちが岩場で群れになっていることもありましたが、近年ではあまり見かけなくなってしまいました。


カサゴ Sebastiscus marmoratus (Cuvier, 1829)

2025年7月2日撮影 水深2.5メートル

実験所の前では、浅いゴロタ場から深い岩礁まで生息しており、小さな個体から大きな個体まで毎回見かけます。岩場や、土管、タコつぼなど物陰にいることが多いです。


オニカサゴ Scorpaenopsis cirrosa (Thunberg, 1880)

2025年6月6日撮影 水深5メートル

年に数回見かける程度で、個体数は少ないです。やや水深の深い岩礁付近で見かけます。カサゴと違って体格は大柄で前後に長く、頭部はやや扁平で口周辺の皮弁が多いので水中でも見分けがつきやすいです。


ムラソイ Sebastes pachycephalus (Temminck and Schlegel, 1843)

2019年4月6日撮影 水深??

岩のすきまにいることが多く、「カサゴのようであまり色味がない魚」という印象です。個体数はそれほど多くなく、岩礁帯の潮当たりの良い場所で丹念に岩の隙間を探すと見つけることができます。この写真の個体は加茂湾の外洋に面したテトラ帯での穴釣りで釣れたもので、居場所の水深がわかりませんでした。釣りものの写真なので、実験所前で撮影ができ次第写真を差し替えようと思います。


オニオコゼ Inimicus japonicus (Cuvier, 1829)

2021年10月29日撮影 水深4メートル(アヅキ島の岩礁帯)

時折見かける程度で個体数は多くありません。浅い場所の砂地やゴロタ場から、やや深い岩礁帯付近まで色々な場所で見たことがあり、砂地では半分潜っていることもあります。擬態の上手な魚です。過去に一度だけオニオコゼが砂に隠れているのに気が付かず、手をついて刺されたことがあります。小さな個体でしたが、とても痛かったです。


ミノカサゴ Pterois lunulata Temminck and Schlegel, 1844

2021年9月7日撮影 水深3メートル

季節来遊漁で夏から秋にかけて岩礁帯で見かけますが、年によって現れる数に変動があり、多数見かける年もあればまったく見かけない年もあります。隠岐の島では越冬することが出来ず、冬季には死んでしまいます。好奇心が旺盛なのか縄張りがあるのか、水中で出会うと威嚇してきたりずっと追跡してくることがあります。


アイナメ Hexagrammos otakii Jordan and Starks, 1895

2025年7月7日撮影 水深1.5メートル

浅いゴロタ場で周年見かけます。個体数はそれほど多くありませんが、あまり逃げずによく姿を現すので見つけやすい魚です。後者のクジメよりも顔がやや大きく、水中でも全体的にオレンジ色~黄色っぽい色に見えます。また尾びれも裁断状になっている点で見分けることができます。


クジメ Hexagrammos agrammus (Temminck and Schlegel, 1844)

2023年3月2日撮影 水深2メートル

浅いゴロタ場で周年見かけます。前者のアイナメと居る場所も似ており、水中では見慣れないとアイナメと見分けるのは難しいかもしれません。クジメは白黒もしくは赤っぽい色をしており、アイナメよりも顔が細く、尾びれが丸い形状になっている点で見分けがつきます。


ワニゴチ Inegocia ochiaii Imamura, 2010

2025年6月19日撮影 水深3メートル(夜間撮影)

岩礁周りの砂地から、何もない砂泥域で見かけます。個体数はあまり多くありませんが、小さな個体から大きな個体まで見ることがあります。光彩が枝分かれしたような形状をしている点で類似したイネゴチと区別がつくようです。この仲間に出会うたびに顔をよく見るのですが、いまのところ光彩が枝分かれしているタイプしか見たことがないため、実験所の前で出会うのではワニゴチだと思われます。


実験所前で見かけるものの、まだ撮影していない種類

ウッカリカサゴ Sebastiscus tertius Barsukov and Chen, 1978

カサゴよりも大型になり、斑紋の縁取りがはっきりしているのが特徴です。冬~春の水温の低い時期に見かけることがあります。


ヨロイメバル Sebastes hubbsi (Matsubara, 1937)

岩礁帯でみかけたことがありますが、ここ最近は姿を見ておりません。比較的鮮やかな色をしており、カサゴよりも顔は小顔で鰓蓋付近が紫色~ピンク色に塗ったような色をしていることが多いです。


番外編

隠岐の島で見かけるメバル・カサゴのなかま

※鮮魚コーナーで売られているものも含みます

クロメバル Sebastes ventricosus Temminck and Schlegel, 1843

⇒沿岸で見かけたことや釣ったことはありませんが、「灘メバル」の名称で時期的にスーパーで売られています。

ウスメバル Sebastes thompsoni (Jordan and Hubbs, 1925)

⇒スーパーでよく売られている魚で、沖合の深場で釣れるそうです。「沖メバル」と呼ばれています。

トゴットメバル Sebastes joyneri Günther, 1878

⇒見間違えでなければ、スーパーで売られているのを見たことがあります。

クロソイ Sebastes schlegelii Hilgendorf, 1880

2019年4月6日撮影 水深2メートルほど

主に冬季~春に汽水域に現れます。「灘ツヅリ」と呼ばれて売られていることもあります。写真の個体は隠岐の島の某所(汽水域)で釣ったものです。実験所前で潜水中に出会ったことはまだありませんが、以前に加茂湾で釣れたという情報を得ているので、ひょっとする加茂湾でも場所によってはいるかもしれません。

フサカサゴ Scorpaena onaria (Jordan and Snyder, 1900)

2018年5月12日撮影 水深30メートルくらい

隠岐の島内某所で釣ったものを撮影しました。現在では老朽化により一般の方の立ち入りができなくなってしまったため、再びフサカサゴに出会うのはいつになるでしょうか。そこは足元でも水深が30メートルほどあり、底を取ったあとすぐにアタリが来て真っ赤な魚が上がってきたのでとても驚いたことをいまでも覚えています。

タヌキメバル Sebastes zonatus Chen and Barsukov, 1976

⇒深い水深で釣りにて釣れるもので、「ツヅリ」の名称でスーパーで売られていることがあります。尾びれが白くふちどられています

アヤメカサゴ Sebastiscus albofasciatus (Lacepède, 1802)

⇒深い水深で釣りにて釣れるもの。他のカサゴ類と特に区別されずに「ボッカ」の名称で売られています。

ハツメ Sebastes owstoni (Jordan and Thompson, 1914)

⇒「アカラ」の名前で売られています。採集場所は不明ですが、かなり水深が深い場所で採れるのかもしれません。

マゴチ Platycephalus sp.

2019年5月2日撮影 水深2~3メートルくらい

隠岐の島では河川の下流域や河口、沿岸の汽水域に生息しています。写真の個体は隠岐の島の某所の汽水域にて釣ったものです。実験所前ではまだ見たことがありません。

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