スズキ・タイ・アジのなかま

スズキ Lateolabrax japonicus (Cuvier, 1828)

2019年5月9日撮影 水深ー

警戒心が強いため、水中ではなかなか近づくことが出来ず撮影が難しいです(写真は加茂湾内で釣ったもの)。日中に見かけることは少ないですが、夜間になると浅瀬まで寄ってきて泳いでいるのを見かけます。


ヒラスズキ Lateolabrax latus Katayama, 1957

2018年10月1日撮影 水深ー

普段は湾内に入ってくることは少ないため、いまのところ潜水作業中などに出会ったことはありません。しかし、台風や時化で外洋が荒れている日には湾内へ入ってきて漁港の常夜灯周辺などを泳いでいる姿が観察されます。実験所の桟橋の常夜灯が故障する前は、桟橋にも時化の日に時々来ていました。写真の個体はやはり時化のタイミングで加茂湾内で釣ったものです。


アオハタ Epinephelus awoara (Temminck and Schlegel, 1842)

2025年6月27日撮影 水深6.5メートル

それほど個体数は多くありませんが、ハタの仲間ではキジハタと並んで見かける種類です。岩礁帯や砂地にある構造物に住んでおり、こちらの様子をうかがっているのを見かけます。


マハタ Hyporthodus septemfasciatus (Thunberg, 1793)

2025年8月5日撮影 水深3.5メートル

見かける頻度は何年かに1回程度で、幼魚が構造物に住んでいるのを見かけます。黒紫色の体色に目立つ白い帯が入っています。


マダイ Pagrus major (Temminck and Schlegel, 1844)

2025年6月28日撮影 水深5メートル

砂地から岩礁帯、ゴロタ場と至る所に生息しており、実験所前ではチャリコと呼ばれる幼魚から20センチくらいの若魚サイズをよく見かけますが、春~初夏にかけては大型の成魚も見かけることがあります。クロダイよりも丸顔で、青い斑点が目立つので比較的水中でも判別しやすいです。


クロダイ Acanthopagrus schlegelii (Bleeker, 1854)

2025年6月27日撮影 水深6メートル

浅場のゴロタ場から岩礁帯、砂地とどこにでも現れます。一部の個体は人にも慣れていて、転石下の生物を採集するときにすぐ近くまで寄ってくることがあります。マダイよりも口が前に出ている印象で、青い斑点や眼の上の模様が無いため、見慣れてくると判別できます。


フエフキダイ Lethrinus haematopterus Temminck and Schlegel, 1844

写真1:2025年8月15日撮影 水深2メートル

写真2:2025年9月26日撮影 水深2メートル

おそらく季節来遊魚で、夏から秋にかけて見かけます。体色を頻繁に変化させ、茶色っぽいまだら模様から、背中側が青っぽく腹側が黄色い状態にもなります。


コロダイ Diagramma pictum pictum (Thunberg, 1792)

2025年9月19日撮影 水深3メートル

何年かに一度幼魚を見かけます。黄色と黒の体色と特徴的な体形をもちますが、成長とともに薄くなり、成魚ではまったく違った色になります(実験所前で見るのは幼魚~若魚です)。夏以降に現れる季節来遊魚です。2023年、2024年、2025年と見かけております。23年はあちこちで見かけたものの、24年と25年は少なく、実験所前にいたのは1~3個体程度だと思われます。



イシダイ Oplegnathus fasciatus (Temminck and Schlegel, 1844)

2021年8月26日撮影 水深6メートル

初夏から秋にかけて縞模様の幼魚が多数みられます。幼魚のうちは好奇心が強く、人懐っこい個体も多いです。冬季にはあまりみかけなくなるものの、一部の個体は岩礁帯などに居ついています。写真の個体は比較的大きなサイズになっても作業者について回るほど慣れていました。


イシガキダイ Oplegnathus punctatus (Temminck and Schlegel, 1844)

2025年8月13日撮影 水深1メートル

初夏から秋にかけてまれに見かけます。イシダイほど好奇心は強くなく、あまり人間には寄ってきません。


メジナ Girella punctata Gray, 1835

2025年9月19日撮影 水深2メートル

幼魚の群れを主に見かけます。2~3匹で泳ぐ成魚も見かけます。いつもいる魚なので撮影をしておりませんでした。隠岐ではよく食されている魚でスーパーでも見かけます。


クロメジナ Girella leonina (Richardson, 1846)

2025年9月19日撮影 水深2メートル

夏ごろから幼魚が群れになっているのを見かけます。前者のメジナと違い、実験所の前で成魚をみかけることはありません。外洋に面した磯でルアー釣りをしているときに釣れたことがあるので、成長すると内湾から出てしまうようです。メジナは水中で見ても鈍い青色に見えますが(灰色と茶色のまだら模様に体色を変えているときも青みがかかっている)、クロメジナは黒い焦げ茶で青みが無いので比較的見分けがつきやすいです。


スズメダイ Chromis notata (Temminck and Schlegel, 1843)

写真1:2025年6月28日撮影 水深6メートル

写真2:2025年9月26日撮影 水深5メートル

主に岩礁帯付近で群れになっているのをよく目にします。


ソラスズメダイ Pomacentrus coelestis Jordan and Starks, 1901

2025年9月19日撮影 水深1メートル

鮮やかな青い体色と黄色の尾が目立ちます。季節来遊魚で越冬することはできません。夏以降に現れますが、体色が鮮やかなのでまず見間違うことはないと思われます。



ネンブツダイ Ostorhinchus semilineatus (Temminck and Schlegel, 1843)

2025年8月5日撮影 水深4メートル

岩礁帯付近や、ストラクチャー周りに群れになっていることがあります。


クロサギ Gerres equulus Temminck and Schlegel, 1844

写真1:2025年9月19日撮影 水深1メートル

写真2:2025年9月26日撮影 水深2メートル

幼魚から10センチくらいの若魚が浅瀬で群れているのをよく見かけますが、実験所前では成魚は見かけません。背びれの黒い銀色の魚という印象で、水中では泳いだり止まったりを繰り返すような動きをします。もう少しマシな写真が撮れたら差し替えます。


ツキチョウチョウウオ? Chaetodon wiebeli Kaup, 1860?

2025年9月19日撮影 水深1メートル

実験所前でも毎年夏以降にチョウチョウウオの仲間の幼魚が来遊しますが、もちろん冬を越せないため成魚の姿を見ることはありません。2025年はこのタイプの幼魚が何匹か岩場に居ついております。模様からツキチョウチョウウオの幼魚と判断したのですが、あまり自信はありません。育てて正体を確かめるのが早いかもしれませんね。


アイゴ Siganus fuscescens (Houttuyn, 1782)

2025年9月19日撮影 水深2メートル

夏以降に急増し、アマモや海藻を食い尽くしてしまうので厄介者扱いされています。クロダイも同様に夏になるとやたらとアマモを摂食するのですが、他に食べるものが無くなってしまうのでしょうか?



ヒメジ Upeneus japonicus (Houttuyn, 1782)

写真1:2025年7月31日撮影 水深4メートル

写真2:2025年9月26日撮影 水深6メートル

夏から秋にかけて目にすることが多いです。それほど個体数は多くありませんが、砂地で黄色い「あごひげ」の部分をしきりに動かして餌を探している姿を見かけます。下の写真では2匹のネズミゴチにはさまれるように写っている魚がヒメジです。


シロギス Sillago japonica Temminck and Schlegel, 1843

写真1:2025年6月19日撮影 水深4メートル(夜間撮影)

写真2:2025年8月19日撮影 水深4メートル(M.Y.さん撮影)

個体数はそれほど多くないものの、せわしなく砂地を泳ぎ回っているため目にしやすいです。


コウライトラギス Parapercis snyderi Jordan and Starks, 1905

2025年9月26日撮影 水深3メートル

以前から存在は何度も確認しておりましたが、撮影はしておりませんでした。ゴロタ場や岩礁帯で見かけることがあり、赤・黒・白のコントラストがきれいな魚です。すぐに石の下へ入ってしまうのでなかなかうまく撮影できませんが、石の下から出てくるのを少し待っていたらようやく出てきてくれました。



マアジ Trachurus japonicus (Temminck and Schlegel, 1844)

2025年7月7日撮影 水深1.5メートル

年中見かけるが数が多いのは初夏から秋にかけてで、幼魚が群れになっています。


カンパチ Seriola dumerili (Risso, 1810)

2025年8月15日撮影 水深2メートル

夏から秋にかけて現れる。早朝や夕方に活発に捕食する姿を見かけます。

体がかゆいのか、ダイバーのウェットスーツやフィンに体をこすりつけてくることがある。


実験所前で見かけるもの(過去に見かけたことがあるもの)の、まだ写真が撮れていない魚

キジハタ Epinephelus akaara (Temminck and Schlegel, 1842)

アオハタと並んで見かけるハタの仲間で、比較的警戒心が強い。

クエ Epinephelus bruneus Bloch, 1793

過去に1度だけ見たことがある。岩礁帯に住んでいる。

ヨコスジフエダイ Lutjanus ophuysenii (Bleeker, 1860)

何年かに一度見かける。体側の黒い線と大きな口な特徴

カゴカキダイ Microcanthus strigatus (Cuvier, 1831)

季節もののようでいつもいるというわけではありませんが、秋に見ることができる印象です。

タカノハダイ Goniistius zonatus (Cuvier, 1830)

個体数の多い魚ではありませんが、ゴロタ場や桟橋周辺で時々見かけます。

キンチャクダイ Chaetodontoplus septentrionalis (Temminck and Schlegel, 1844)

夏に岩場でたまにみかけます。成魚を見たことがないので季節来遊かもしれませんが、成魚は深場に居るとも聞きます。

ブリ Seriola quinqueradiata Temminck and Schlegel, 1845

⇒若魚が泳いでいるのを見かけることがある。ヒラマサよりも目撃頻度は高い。

ヒラマサ Seriola aureovittata Temminck and Schlegel, 1845

⇒ごくまれに若魚が泳いでいるのを見かける。

ツムブリ Elagatis bipinnulata (Quoy and Gaimard, 1824)

⇒過去に1度だけ、1匹が時化の日に実験所の桟橋の下にいたのが目撃されている。

⇒2025年9月19日(ちょっと時化が入っていました)に再確認しましたが、写真が撮れませんでした。

サワラ Scomberomorus niphonius (Cuvier, 1831)

⇒かつては12月頃に群れで加茂湾内に入ってくることがあったものの、近年ではまるで見かけない。





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